70年周期とか80年周期とか
中学生時代、アマゾンもなかったころ、本屋さんに立ち寄ることは、娯楽の一種でした。
そんな中、私が見つけたのが、学研の「ムー」という雑誌でした。
学研と言えば、何しろ、学習研究社ですし、「〇年の科学」「〇年の学習」は、僕も定期購読を
親に頼んでいましたから、その内容具合には、ぶっ飛びましたし、中学生の私は夢中になりました。
今でも、なんとなく覚えているのは
・源義経は、モンゴルに渡り成吉思汗になった
・イエスキリストは、実は、青森に来ていた(五芒星があるらしい)
・カッパのミイラが安置されている寺がある
・UFOが墜落して米軍関係者がその死骸を回収した
・巨大隕石が地球に激突するらしい
・徳川埋蔵金
・ノストラダムスの大予言
などなど。
学研のイメージをぶち破る内容に、当時は、夢中になったものです。
今日、お話する内容は、そんな「黒歴史」を持つ、私が、ニヤニヤしながら考えている話ですので
あまり、真面目に読むのではなく、是非、あなたも半笑いでお読みいただきたいと思います。
COVID-19は間違いなく、後年、歴史の1ページとして記録されるでしょうし、
30年後ぐらいの歴史の教科書には、2020年 新型コロナ感染症が世界的大流行(Pandemic)に、として
記載され、多くの中学生が「振れ振れ 世界 パンデミック」など、語呂合わせで覚える年になったり、
100年後のクイズ番組では、「4年に1度のオリンピックが、延期になったのは、何年の何オリンピックだったでしょうか」
ということが、トリビア問題として出されたりするかも知れません。
それはさておき、歴史的事項となるCOVID-19だと考える時に、ふと思い出した話があります。
「歴史は繰り返す」というのは、故事ことわざとして良く話に出ます。
もともとの意味は、人間の本質に変わりはないため、同じ事が起きるというようなものようで
古代ローマ歴史家クルティウス・ルフスの言葉です。(ルフスというのは流布州と書き…みたいなのが、ムーには多かったw)
このことわざに触発されたのかどうか、わかりませんが、70年周期説とか、80年周期説と言われるものです。
歴史は、70年とか80年サイクルで同じようなことが起こる的なものです。
近代日本での大転換はなんだったのか、と振り返ってみると、
やはり、第二次世界大戦の敗戦、そして、その前は明治維新だったのだろうと考えたので、
それを並べてみました。
70でも、80でもないというところは、まぁご愛敬として、なんだか腑に落ちる気がしないでもないです。
価値観の大転換、いわゆるパラダイムシフトですが、定期的に起こるのは世の常なのだと思います。
パラダイムシフトというのは、プラスがマイナスに変わることや、テーマや文法が劇的に刷新されるということが
起こることを含むと思います。
五箇条の御誓文が出された明治維新では、将軍が将軍でなくなり、有名無実化していた天皇が復権しました。
士農工商と身分制度があり、武士は、名字帯刀という特権を持っていましたが、無くなりました。
また、ちょんまげが古いものとなり、鎖国が終了しました。
同時に、欧米から様々な文化が流れこんできました。廃仏毀釈なども、明治維新に伴って起こっています。
まさに、価値観の大転換、パラダイムシフトですね。
そして、明治、大正、昭和と日本は大きな変革を遂げます。富国強兵の合い言葉のもと、欧米列強に比肩する
国となるべく、様々な取り組みが行われてきました。陸奥宗光がカミソリ陸奥の異名を持って、明治維新のころに
結ばれた不平等条約を解消した、的な話は、その昔歴史で習ったような記憶があります。
日清日露戦争に勝ち、世界の一等国としての地位を作りましたが、満州事変の一件で、国際連盟で松岡洋右が
演説したものの、脱退に至ったというのも、歴史で習いましたよね。
その後、日中戦争から日米開戦へ、さらに大東亜共栄圏の実現に向かった日本は、ポツダム宣言を受け入れ終戦を迎えます。
明治維新から、77年が経っていました。
これによって、軍国主義は平和主義になり、軍隊の英雄は東京裁判で戦犯になりました。
子どもたちが陸軍大将、海軍大将に憧れた時代は、一瞬にして終わりになったわけです。
これも、また、価値観の大転換、パラダイムシフトです。
終戦から75年。COVID-19がpandemicとなりました。日本においては、色々な経緯はありましたが
渡航制限、入国制限となり、観光客でごった返し国際的だった日本の各都市も、様相が一変しました。
工業製品も海外から入ってこなくなり、食料品等の今後も考えると、自給自足とは言わなくても、
ある程度国内でなんとかする方策を考えなくてはならなくなりそうです。
私自身は、研修会や講習会を行う上で、リアルに会うことの重要性を説いてきました。
情報の伝達だけであれば、紙媒体や電波媒体だけでなく、インターネットでも十分に可能です。
しかし、同じ場所で同じ時間、同じメンバーで同じ事を考えていく中で、醸成される雰囲気を体感することは、
行動変容を起こしていくには重要だと考えてきました。ただ、今回の一連のできごとのなかで、
三密は忌むべきモノだとなってしまいました。
また、ビジネスを広げる上においても、電話やメールだけでなく、直接会ってお話をすることの重要性は
無意識的に考えてきました。わざわざ大阪から東京に行って面談することの意味合いは、確実にあったと
思いますが、このことも、移動は控えるようにとなると、逆に新幹線で往復することは憚られるようになりました。
さらに、色々な話を個人的にも、ビジネス的にも進めていくためには、アフター5で、お食事やお酒も一緒に
することで、仕事の付き合いだけでは得られない何かを共有し、より高みに登っていこう、ということも
実感してきました。しかし、密室でみんなでうだうだ話をすることは、避けるべき事項となってしまいました。
人に会うのでなければ、移動するのでなければ、服も要りませんし、装飾品も要らなくなります。
逆に、ネットで会うのがメインになるならば、人間の根本的な欲求を満たす、別の何かが要るようになるでしょう。
今、私たちが直面しているのは、本当に色々な価値観が大転換している現場なのだと思います。
明日、2020年4月7日に、東京・大阪など7都府県で非常事態宣言が出されそうです。
日本のあり方は大きく変わり、新しい日本が始まる。その現場を、私たちは目撃し、経験しているのだと思います。
ピンチはチャンス。最低は最高への始まり。人間万事塞翁が馬。吉兆はあざなえる縄のごとし。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは鉄血宰相の異名を持つオットー・フォン・ビスマルク(1815-1898)
の言葉です。
暗い現実から、明るい展望を持つためには、時代を俯瞰して、未来を見通すことが大切です。
こういった考え方を持ち、毎日の業務を、めげず、くさらず、あきらめずに取り組んでいけば、
必ずや、明るい未来が開けるはずです。
薬剤師や薬局が抱える問題も、0402通知、改正薬機法、さらに2020年度調剤報酬改定ときていた流れに続いての
非常事態宣言を経て、まさに、歴史的大転換において、大きな展望が開けるでしょう。
知らんけど。